旨し糧
それは某国、国際空港で起きた。
搭乗前のチェックインカウンターで荷物を預け、チケットを手にする。
久しぶりの帰国だ、家族と共にウキウキしながらそそくさとその場を去る。
友達にもうすこし土産を買い足そうか?
機内で食べるおやつでも物色するか・・なんて考える。
しばらくして慌てて追いかけてくる先ほどの担当者。
「あの・・お客様!お客様!!」
「先ほど、お尋ねしそびた事がありまして・・」
「その・・お客様は妊婦さまではございませんか?」
ガ━━(;゚Д゚)━( ゚Д)━( ゚)━( )━(゚; )━(Д゚; )━(゚Д゚;)━━ン!!!!!
「・・えっと・・。いえいえ、自腹です」
「大変失礼いたしましたっ!!」
(全力ダッシュで戻っていったよね)
そして訪れるしばしの沈黙と家族の笑い声・・。
「この服 Aラインだからね。しょうがないよね、まったく┐(´∀`)┌」
そして機内では気がつくと側にフライトアテンダントの方が立って居る。
何をなさっておいでかと きょとんと見上げていると
「どうかされましたか?」と尋ねられる。
尋ねたいのはこちらである・・。
「お呼びになられましたので」と言いながら、彼らは頭上の明かりを落とす。
「いえ、お呼びしてませんが・・?」怪訝そうに答えると
「そうですか、失礼しました」と一礼して去って行く。
2度、3度と同じ事が続いて気がついた。
腰のお肉が押しているのだ・・右脇の「御用聞きボタン」を・・。
私の意思などお構い無しに。
「あれ?勝手に押してる。ボタン壊れてない?」
「結構力いるよ・・よく尻で押せるね」と小娘。
(尻っていうな。腰だ)
そして訪れるしばしの沈黙と家族と家族以外からの小さな笑い声。
「ねぇねぇ、この椅子ちっちゃくない?(。◕ฺˇε ˇ◕ฺ。)」
「ゆったりではないね」と膝が窮屈そうな身長185cmの主人。
「足はスカスカだよ・・幅がね・・横がね・・( ゚ρ゚ )」
といった具合に、わたくしめの腹を こうも百千足らしめたもの・・。
順を追って挙げ列ねてゆこうではないか。
(ただの運動不足という事実にはこの際目を伏せる)
常習の小者的な何か。
手堅くがっつり、中堅。
幹部的な存在。
そして たぶん、こいつがラスボス。
私が数年暮らして居た国は小麦粉文化が花開いていて、それは恋々脈々と開きっぱなしのパラダイスだった。
あまりの心地よさに すっかり忘れてたんだよね。
見事に全部 炭水化物!
(また食べたい←)